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としま文化フォーラム2015第1回に行ってきました。

2015.10.10

その他

poster10月7日㈬、高野之夫豊島区長が自ら塾長を務める「としま文化フォーラム2015-アート・カルチャーで世界をつなぐ-」第一回を受講してきました。豊島区が標榜する「国際アート・カルチャー都市構想」のプロデューサー陣を講師に迎え、クリエイティブの第一線で活躍する彼らに講演してもらうことで、今後の豊島が目指すべき方向性を示唆して頂こう、という目的とのことです。

第一回講師はデジタル・アートで世界的に活躍するウルトラテクノロジスト集団・チームラボの代表・猪子寿之さんでした。テーマは、「″Digitized City Art”,”Digitized Nature Art”プロジェクト 都市が都市のままアートになる、自然が自然のままアートになる」。生花2300本を空中に浮かす日本科学未来館での驚愕の展示、「Floating Flower Garden – 花と我と同根、庭と我と一体と」や、ミラノ万博での展示「HARMONY」や、CGを駆使したラスベガス歌舞伎「KABUKI Spectacle」、駿府城公園内で行われた「駿府天下泰平まつり」、チームラボで手がけた作品を紹介しつつ、デジタル・アートの持つ可能性、都市と組み合わさった際の化学反応について語られていました。

テーマにもあるように、猪子さんはアートの素材になるものを「そのまま」活かすことを旨としていて、デジタルは都市の建物、自然の木々を何も傷つけずに表現する手段として有用であることを主張されていました。また、無機的なデジタルに人が触れたり中に入ったりすることで有機的に反応する手法を好んでいるとも。印象としては冷たく感じられるデジタルは、実はこんなにもエコで温かみがあるものなのだ、ということがよく伝わりました。

特に印象に残った展示はららぽーと富士見などで開催される「チームラボアイランド 学ぶ!未来の遊園地」でした。子どもたちの描いた飛行機や車や建物が実際スクリーンに動く姿で映しだされ、街を作る様子には感嘆。自分が子どもの頃、夢に描いた世界がそこにはありました。街に火事が起これば消防車を描く、描いた消防車が火を消す。街に怪獣が現れたら戦闘機を描いてやっつける……。最近は子どもの遊ぶ場所が減っていて、想像力を育む機会が減っていると同情的になる心持ちがありましたが、こうした技術の進歩が彼らの無限大の可能性を活かすことにもなり得るのだと。技術は使い方次第なのだと思い知りました。

猪子さんの言葉で最も心を打たれたのが「創造性とは『正解』を増やすこと」というものでした。学校のテストにおける正解は一種類なことが多いが、社会での「正解」は他人の喜びや幸せを導き出すこと、クリエイティブとは本来そうした行為で、他者のことをポジティブに捉えるための試みである、彼らが表現するデジタルがつなぐ人とのコミュニケーションがなぜこうも温もりと驚きに満ちているかを端的に表す言葉でした。感銘と刺激を受けた講演でした。

現在チームラボさんでは江ノ島水族館とのコラボ企画「ナイトワンダーアクアリウム2015」を行っているそうです。今年の12月25日までだそうなので、私も実際に見て触れてみたいと思っています。皆さんも如何でしょうか。

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