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としま文化フォーラム2015第2回に行ってきました。

2015.10.29

その他

10月28日㈬、高野豊島区長が塾長を務める「としま文化フォーラム2015-アート・カルチャーで世界をつなぐ-」第2回を受講してきました。今回の講師は東京芸術劇場館長であり、元・アサヒビール㈱社長、現・アサヒグループホールディングス相談役の荻田伍さんでした。

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荻田さんはアサヒビールの国内シェアをNo.1にした立役者であり、売上が落ち込んでいたアサヒビール小会社であるアサヒ飲料に出向し、「WANDAモーニングショット」のヒット、三ツ矢サイダーのリニューアルによって同社の経営をV字回復させた経営者として有名です。その後本社社長、会長を経て現在はホールディングスの相談役を務めていらっしゃいます。

アサヒビールの来歴を振り返りながら企業価値とは何か、創造した価値や利益を社会に還元すべく行っている環境活動や文化・芸術への支援活動について語っていました。といっても堅苦しい雰囲気ではなく、アルコールを嗜む人々にとって身近な存在であるビールについて豆知識なども交えて、より親しみを持てるようなユーモア溢れる話術に会場は湧いていました。さすがは往年の敏腕営業マン。引き込まれます。

002昨年話題となったNHK朝ドラ「マッサン」で注目を浴びたニッカウヰスキーも現在アサヒのブランドのひとつですが、その経緯にはアサヒビール創業者である山本爲三郎とニッカ創業者である竹鶴政孝の親交があったこと、それゆえニッカの方針には基本的に不可侵でいることなど、日本の酒文化に関心を持つ者として実際を知る荻田さんの語りで聞けたのは大変貴重でした。

また現在の日本の酒税法への違和も訴えていました。発泡酒や第三のビールのような基準でビールが相対的に高価になり、飲む人が減っていることを嘆いている様子でした。ビールを愛し、ビールを売り続けてきた荻田さんの「ビールは麦酒と書くのです」という言葉とビールが人類とどれだけ深く関わってきていたのかという歴史、胸に響きました。

003ドイツでは16世紀に定められたビールの製法に関する法律が現在でも生きているという話やハムラビ法典で「ビールを水を薄めた者には、水の刑(溺死刑)」という話では会場がドッと笑いに包まれました。

講演の最後はビールを含むアルコールが人と人との間を取り持つ潤滑剤としてこれから愛され続けることを望んでいるという言葉で締めくくられました。もうこの頃にはウズウズしていました。ビールが飲みたくて飲みたくて。

公演終了後、辛抱たまらず急ぎ足で知人の店に行き、アサヒの生ビールを飲んで居合わせた方々と大いに盛り上がりました。見事に術中にはまってしまったな、という具合でした。うーん、さすがは……。

こちらのページでは荻田さんの経営者としての名言がまとめられています。ご参考までに。

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