NPO法人
ゼファー池袋まちづくり

News&Rport お知らせ・活動報告

立教大学学生発行雑誌「st.paul’s campus」に掲載された内容です。@

2007.07.20

その他


街づくりから生まれるつながり。つながりから生まれる街づくり。


 私たちが通っている池袋。ここには他にも遊びにやってくる人や働きにくる人…様々な人たちがいる。けれど、私たちを含めそういった人たちにはこの街に住む人々の<つながり>が見えていない気がする。池袋という「街」を感じずに、ただ通り過ぎているだけ。だから例えば「池袋の商店街」と言われてもどうもしっくりこない。けれどここ池袋にも「自分の街がすき」「池袋がすき」と思う人は当然いて、よりよい街にしようとしている人がたくさんいるのだ。



池袋西口駅前の約140の会員が集まった「池袋西口駅前名店街」(以下、名店街)。ここでは名店街の活動報告や名店街に関わっている人たちの声がつまった会報「名店街ニュース」が毎月会員に配られる。9月、池袋西口公園「ふくろ祭り」では縁日や屋台を開き、街の中神輿を担ぐ人もたくさんいる。私にはこういった活動をしている名店街の存在は少し意外だった。それは池袋に対して抱いていたどこか殺伐としているイメージとは180度違うものだったから。



そんな池袋西口駅前名店街の活動のひとつにNPO法人ゼファー池袋まちづくりと一緒に行っている地域通貨「アイポイント」という活動がある。



地域通貨とはいわゆる<おもちゃのお金>のこと。例えば英会話を教えることができる人がいたらそれを登録し、それと同時に英会話を受けたい人も登録をする。このように様々なサービスの需要と供給をドッキングさせ、<本物のお金>ではなくその<おもちゃのお金>を媒体として使い、サービスの提供・交換を行うことが地域通貨の活動である。


いろんな人の善意が地域通貨という<おもちゃのお金>を媒介にして動き、つながっていく。この仕組みを、アイポイントの活動を中心となって行っている名店街・SANYODOの石森宏さんは<善意流通促進システム>と呼んでいる。しかしこの地域通貨のシステム、お互いのニーズを合わせることが難しくなかなか上手くいかないのが実状だ。



バブル崩壊後、いつか景気はよくなる、そう思っていたけれどなかなかその兆しは見えないでいた。このままでいいのか、誰もがそう思っていた。名店街もそうだった。「ただ儲ける商売じゃなくて何か面白いことはないだろうか」。その時石森さんはこの地域通貨というシステムを導入し、それまでそれぞれ独立して行っていたボランティア活動と埼玉県東松山市にある名店街・ゆう文の大久保さんの畑で山ほどできる作物を結びつけることを思いついたのだ。


今まで何の見返りも求めずに街のためにボランティアをやってくれていた人たちに、地域通貨「アイポイント」をあげる。そしてそのアイポイントは大久保農園でできたジャガイモと交換できる。これがアイポイントの仕組みだ。<ボランティア同士>でも<ボランティアとお金>の交換でもなく、<ボランティアとアイポイント、アイポイントとジャガイモ>の交換。これならきっとうまくいく。そんな思いから、去年2006年2月に「アイポイント」は始まった。


(前のブログにつづく)


TOP