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ゼファー池袋まちづくり

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舞台「池袋モンパルナス」が20年ぶりに再演されます

2016.02.21

モンパルナス回遊美術館

1997年に初演、1999年に池袋演劇祭大賞を獲った劇団銅鑼の舞台「池袋モンパルナス」が脚本と演出を一新して3月2日㈬から6日㈰まで、六本木俳優座劇場にて20年ぶりに再演されます。靉光、井上長三郎、鶴岡政男、寺田政明、松本竣介、古沢岩美など、池袋モンパルナスに身を置いた実在の画家たちを主要な登場人物とし、第二次大戦を迎える激動の時代にあり、芸術に殉じた若き芸術家を描く青春群像劇です。

以下、あらすじの抜粋です(劇団銅鑼HP内より)

昭和初期、池袋界隈にポツリポツリと粗末なアトリエや下宿屋が建ちはじめ、画家たちは一人また一人とそこに移り住み、やがて芸術家の町と化すこととなる。詩人・小熊秀雄はパリの芸術街モンパルナスにちなんで「池袋モンパルナス」と名付けた。遠く池袋の空が夜の光を反映して美しく見える頃、画家達の足はその光に誘われるように池袋へと向いてゆき、酒をあおり、女給と戯れ、歌い、踊り、そして芸術論を戦わせた。

1938年、国家総動員法成立。池袋の町の景色からも色が失われはじめ、政府は「総力戦」の名のもとに人々を駆り立てていったー。

後輩(寺田政明役・野内貴之くん)が在籍している関係で私も劇団銅鑼の公演は何度も観ているのですが、脚本は『からまる法則』、『はい、奥田製作所。』などを手がけた小関直人さんと聞いて期待大です。

しかも小関さんにとってこの「池袋モンパルナス」は処女作に近い作品でご本人にとっても記念碑的作品で、今回のために脚本をブラッシュアップしているそうです。別件で取材させて頂いたのですが、同じく表現を志すものとして大変刺激になりました。閉塞感が増していく現代の若者にこそ、当時の若き芸術家たちの生き様を観て欲しいとのことでした。

最後に、私たちNPOゼファー池袋まちづくり副理事で、新池袋モンパルナスまちかど回遊美術館実行委員長である小林俊史も本公演に関してコメントを出していますので抜粋します。

『池袋モンパルナス』期待しています。

新池袋モンパルナスまちかど回遊美術館実行委員長 小林俊史

 赤煉瓦の校舎を横目に立教通りを行けば、今は暗渠の谷端川に小さな橋の痕跡があります。池袋モンパルナスと呼ばれた時代、池袋で呑み、談論風発の勢いのまま長崎アトリエ村に帰る芸術家たちにとって、この霜田橋はサロンと創作の場の境界だったようです。

隣の住人が意識を集中して制作する音に嫉妬し、ナニクソ負けるものかと競い合うかのように創作への熱情を燃やした当時の暮らしを、彫刻家白井謙二郎は「芸術家が芸術のことだけ求めていられた最高の空間」と回顧します。

やがて激しい戦時時局へ、戦争賛美以外の作品は許されないなか、詩人小熊秀雄が「芸術の植民地」と呼んだこの地は「党派を超えた解放区」であり続けます。軍の招集で満州に渡った画家野見山暁治は「歯ぎしりのユートピア」と表現し、「あそこに1日でも戻って死にたい」と願いました。

 今、豊島区では毎年5月に「新池袋モンパルナスまちかど回遊美術館」を開催しています。池袋の街中の公園や店舗、劇場、ギャラリーなどで作品を展示し交流するイベントに多くの若きアーティストが集います。

サロンと制作の往来、そして切磋琢磨して生きる喜び、それが池袋の原点です。劇団銅鑼さんの「池袋モンパルナス」再演を楽しみにしています。

池袋にかつて実在したアトリエ村のお話ですので、皆様ぜひご覧になってください。チケット詳細などは劇団銅鑼HPまで。

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